縄文太郎(ゆるキャラ図鑑No.93)
今回取り上げるのはコチラの方
縄文太郎
縄文太郎はあの「怒涛の英語力」で有名なみすず学苑のキャラクター。
都内在住の方なら、電車扉のヤマトタケルの広告を、一度は見かけたことがあるハズです。
CMにはいくつものバリエーションがありますが、基本的な流れは一貫しています。
まず、歴史上の有名人や飲食物、昆虫等に扮した先生、 生徒が登場します。
そして、彼らが受験に関するダジャレを怒涛の勢いで畳みかけるように連呼。
ラストには出演者が勢ぞろいし、「怒濤の合格みすず学苑」を3回半連呼して終わるのです。
ポイントは「3回半」というところ。中途半端にCMが終わる分、何度でも再生したくなってしまうのです。まさに、薬物に匹敵する中毒性の高さ。はまったら抜け出すことが出来ません。
しかし、 なぜ当学苑のゆるキャラが縄文太郎なのか?
その理由は単純明快。
なんと、学苑長が国際縄文学協会の会長だからなのです。
公式HP曰く、「縄文時代は不便で不自由だったが平和で豊かな時代だった。受験生も同じく不自由な生活を送るかもしれないが、その中でも心豊かなコミュニティーを作り、志を成し遂げて欲しい」とのこと。縄文時代に対し、なみなみならぬ情熱が感じられます。
まあ、ここまでは言いたいことがわかります。
実は筆者も浪人生活を経験しており、そこでは先生、生徒、チューターと得難い出会いをしました。その中の何人かといまも交流が続いています。また、振り返れば、あの時代が人生で最も楽しい時代の一つであったと、たしかに思えたりもするのです。お金はないし時間もないけれど、密度の濃い付き合いをすることが出来ました。
しかし、問題は次です。
よく見ると縄文太郎はツタにつかまっていますが、このツタにも意味があるようなのです。それを説明する文章がコチラ。
「つた」は何かというと、「やつた」「やつた」「やつた」「やつた」です。コマンドテストを「やつた」「やつた」「やつた」口頭テストを「やつた」「やつた」「やつた」。リビューテストを「やつた」「やつた」「やつた」。合宿講習を「やつた」「やつた」「やつた」。「やつた」「やつた」「やつた」「やつた」といいながらずっと上がっていくと、合格の女神に出会えて、自由に豊かな、高いレベルの自由な楽しめる大学生活が待っています。それが上の上の方にある自由の女神です。怒濤の合格みすず学苑を立体で表現したものです。
(公式HPより引用)
早口言葉のような怒涛の説明文。思わず舌を噛みそうになります。勢いでなんとなく理解してしまいそうになりますが、文章をつぶさに見ていくと、言っていることがさっぱりわからない。
CMもそうですが、勢いで押し切ろうとするのはこの学苑の悪いクセです。意味不明だが、なんとなく納得してしまう。そしてなにより面白い。非常に厄介です。
また、当学苑の公式HPは相当強烈で、他では一方的なセルフQ&Aが展開されています。(参考:みすず学苑その他の謎 | 予備校ならみすず学苑)
そこでは「校舎がチープなのはなぜ?」「教材がチープなのはなぜ?」「みすず学苑は宗教団体なの?」と誰もが気になる、しかしなかなか聞けない領域へ、敢然と踏み込んでくれています。特に最後の質問なんかは、普通ならかなり聞きづらいところです。
なお、宗教との絡みについては、「全くの無関係ではないが、教室で洗脳活動その他アブナイことが行われているわけではない」というのが一応の結論です。
学苑長の半田氏は、たしかにワールドメイトなる宗教団体を運営しているようですが、授業内での宣伝、加入の強要といったことは行われていないようです。ネット上のその他情報を見た感じでも、「授業自体は普通」という意見が散見され、アブナイことが行われた形跡は見当たりません。
あくまで、「教育は教育」「宗教は宗教」と別建てなのです。
まあ、CMや公式HPを見る限りでは宗教云々というより、学苑関係者のテンションの高さの方がよほど厄介な気もします。
そんな、悪ノリのハイウェイをぶっちぎりで突き進むみすず学苑。
後ろには誰の姿も見当たりません。
他の追随を許していないのか、あるいは追いかけようと考える者が誰もいないのか。
その答えは、読者の皆様自身に見つけて頂きたいと思いますが、筆者個人の直感的として、後者が正しいのかなという気がしています。
それでも、みすず学苑の合格実績はかなりのもの。
早稲田に慶応、上智、はては京大などにも合格者を輩出しているといいますから、その教育内容はしっかりと整っているのでしょう。
※2016.02.07現在。公式HPよりピックアップしました。
ワケのわからぬ宣伝も「あの遊び心をわかってくれる生徒に来てほしいから」とのことで、逆に選別をかけているようです。そういう素直な生徒の方が、成績も伸びやすいとの考え方があるのです。
山形出身の筆者は、東京へ出て広告を見るたびに「都会の高校生はこんなスゴイところに通っているのか!」と驚いたものです。そりゃあ田舎と都会とでは、学力に差がつくはずだ、と。
残念ながら筆者は某K塾で浪人生活を送りましたが、もし生まれ変わることがあれば、みすず学苑への入苑を本気で検討したいと考えています。