まっくん(ゆるキャラ図鑑No.82)
こんにちは。今回のゆるキャラ図鑑はこちらの方、長野県は南箕輪村からのエントリーです。
まっくん
それは、2011年のゆるキャラグランプリでのことでした。
まっくんは地元での人気はぶっちぎり。ひとたび小さい子供の前へ姿を現せば黄色い声援が飛ぶ(全て本人談)ということで、ついに全国デビュー、ゆるキャラグランプリへのエントリーを決めたのです。
しかし、現実は甘くはありません。
「ダントツぶっちぎりで優勝する」と意気揚々とエントリーを果たしたものの、なんと結果は最下位。
彼に入れられた票の数はたったの68。惨敗も惨敗。身内の人間すら彼に投票していないという、圧倒的な惨敗に終わってしまったのです。
ただ、彼の真骨頂はここからでした。
最下位という事実を逆手に取り、「日本一人気のないゆるキャラ」として猛烈なアピールを始めたのです。
そんな彼がまず行ったのが、敗因分析。
彼は、「大きなお友達を味方につけられなかったことが敗因」と分析したのです。
小さい子供にいくら人気があろうが、彼らはインターネットで投票したりはしません。
上位に食い込むためには「大きなお友達」、つまりは大人を味方につける必要がある。そのために有効な手立ては「萌」。プリキュアとかと同じく、「萌」の要素を付加し、「大きなお友達」を引き込む必要があるのでは。
そんな、一流企業のコンサルもびっくりの分析を披露して見せたのです。
そして、その結果がこちら。
見た目だけではなく、ネーミングもグレーゾーンどころか完璧にアウト。
「小さな子供にいくら人気があろうが」という分析がそもそも間違っています。
老若男女問わず、まっくんは誰からも愛されてなどいなかったのです。
それを痛烈に皮肉ったのが魔法少女あかまつりん。
彼らのサイト内には「まっくんサクセス・ストーリー」なる連載があるのですが、ある回の冒頭では「全国68人のまっくんファンの皆さん、こんにちは」と、毒舌の筆者もびっくりのビーンボールを投じています。
あかまつりんはかなりの毒舌で、時にはサイトの中の人、つまりは彼らの創造主(=市役所の総務課広報係の方)に毒づいたりもします。
しかしそのたびに彼女は神隠しに遭い、「ソウゾウシュサマ」こと中の人に洗脳されて帰ってくるのです。
そもそも彼らはソウゾウシュサマ(○十代のオジサマ)の家族会議により生まれたゆるキャラであり、やはりその権力に逆らうことは出来ないようです。
彼らのサイトにしても、悪ノリで市役所の上司に提案してみたらトントン拍子に決済が下りてしまったという背景を持っているようで、ソウゾウシュサマがすごければ、その上司もまたすごい。
筆者も某企業で働く勤め人ではありますが、南箕輪村市役所の風通しの良さには驚くばかりです。
ともすれば地方には封建的なイメージがつきまといますが(筆者の出身地・山形は少なからずそうです)、南箕輪村はどうも違うようです。
自由闊達な雰囲気に後押しをされ、まっくんは人気取りのためヌードになるなど、体を張った活動を展開し、ついにはテレビ出演まで果たします。
そしてその結果、2012年グランプリでは48位と中途半端な躍進を達成したのです。
以降は「グランプリの順位を気にせず原点回帰をはかりたい」とゆるキャラグランプリへの参加は辞退していますが、まっくんのHPの充実ぶりには素晴らしいものがあります。
はじめのうちは村のHPのイチ・コンテンツとしてまっくんの項目があっただけなのですが、人気に火が付いたことをきっかけに、まっくん専用の公式HPが開設されるまでに至っています。
公式HPができるまでの「つなぎ」という意味で、村のHPは「つなぎサイト」と呼ばれ、専用サイト誕生後は「公式サイト」に活動の拠点を移していますが、ハッキリ言ってどちらも読みごたえがありすぎです。
特につなぎサイトの「サクセスストーリー」なる項目は本気でおすすめします。
ソウゾウシュサマの紡ぎだす文章は、完全に天才のそれ。
つなぎHPのつくり自体は非常に貧相で、ちょくちょく「くまモンのページがうらやましい」とグチをこぼしていますが、わたしから言わせればどんなゆるキャラのHPよりも素晴らしい。今までで一番笑わせてもらいました。あまりにネタが多すぎて、当ブログで拾い切れていないほどです。
なので、もう一度言います。
彼のHPは、本当に面白いです。
下記にリンクを貼っておきますので、ぜひ読んでみてください。
つなぎサイト(URL: 応援ありがとう!日本一人気のないキャラクター「まっくん」特集 - 南箕輪村公式ウェブサイト)
公式サイト(URL: まっくんオフィシャルサイト - 南箕輪村イメージキャラクター)
これまで、ご当地ゆるキャラをみて「おもしろいな」とは思っても、正直「だからと言ってその土地に行こうとは思わない」というのが本音でした。
しかし、この南箕輪村についていえば、ぜひ訪れてみたいと思います。
大芝高原がまっくんイチオシのスポットのようで、まっくん自身「何もないけどぜひ来てほしい」とPRする気があるかないのか、よくわからないことになっていますが、そう言われると行きたくなるのが人情というもの。
今度の長期休暇では、奇跡のゆるキャラ・まっくんの生息する南箕輪村を旅してみようかと思います。
・2016.02.01追記
まっくんへ応援メールを出したところ、下記のような返信がありました!
ますます惚れてしまいそうです。
*****
ぼけねこさんへ
お返事遅くなってごめんなさい。
暑い、いえ、熱い応援メッセージありがとうございました。
鋭い分析と、ゆるキャラへの深い愛情が伝わってきて、とっても
うれしかったよ!
つなぎサイトの生みの親も、涙を流さんばかりに喜んでました。
これからも、応援よろしくお願いします。
南箕輪は雪が降って寒いです。
なんにもないけど、遊びに来てね。
ま ま ま ま ま ま ま ま ま ま ま ま ま
まっくん
ぼくの情報が盛り沢山!
見たもん勝ちだよ!まっくんオフィシャルサイト
http://makkun-official.jp/
ま ま ま ま ま ま ま ま ま ま ま ま ま