ひゃくまんさん(ゆるキャラ図鑑No.83)
こんにちは。今回のゆるキャラ図鑑は石川県金沢市からのエントリー
ひゃくまんさん
2015年の北陸新幹線開通をにらみ、2013年に生み出されたひゃくまんさん。
石川県の郷土玩具であり縁起物でもある「加賀八幡起上り」をモチーフに作られたとのこと。要するにダルマに手が生えた不気味なゆるキャラ、ということになります。
デザインは石川県出身のデザイナーさんによるものとのことですが、
彼が生み出された際、石川県議会からは「かわいくない」「だるまに似た姿から石川を連想するのは難しい」と、至極まっとうな批判が寄せられました。
たしかにそうです。
「かわいくない」という評価は主観によるものだとしても、「だるま→石川県」という連想はどう考えたって難しい。だるまなど全国どこにでもありますし、第一、「ひゃくまんさん」という名前自体、石川らしさがありません。
「加賀百万石」という単語からきているみたいですが、多少日本史に精通していなければ、イマイチぴんとは来ないでしょう。
しかし、そんな諸々の懸念を一蹴してしまったのは谷本知事。
「せんとくんの例もあり、奇抜なデザインでいい」と、このキモダルマを公式キャラに採用してしまうのです。
ひゃくまんさんがブレイクしていれば(あるいは今後ブレイクすれば)、「さすがは知事!先見の明があった!」ということになるのですが、いまのところ完全にスベった結果に終わっています(ダルマだけに、コケたと形容すべきでしょうか)。
柳の下に、二匹目のどじょうはいなかったようです。
そんなひゃくまんさんも、素材だけは超高級。
公式HPによれば、「輪島塗のおひげ、金沢箔を全身に施し、加賀友禅柄の菊やぼたん、色彩には赤・黄・緑・紺青(こんじょう)・紫の九谷五彩を使用し、全国に誇る石川の伝統工芸の技術が取り入れられています。」とのことです。
豚に真珠という言葉は、彼のために存在するのでしょう。
職人さんたちからは、「わたしたちの技術をくだらないことに使うな」と反論・異論は出なかったのでしょうか。
名前、デザイン、素材、技術。
全てがパッチワークのようにいびつに絡み合っており、ある意味奇跡のゆるキャラと言えるかもしれません。
唯一救いがあるのはHPで、そこでは年賀状用の素材を提供してくれています。質感を含め、お正月にはぴったりのデザインです。
すでに本記事を書いている時点で1月18日となっていますが、
筆者は「うちは旧正月」と心の中で言い聞かせ、友人たちへいまだに年賀状を返していません。(ごめんなさい)
これも何かの縁なので、次の週末あたりに年賀状の製作に取りかかろうかと思います。
※追記:ここまで書いてよくよく見たら、年賀状は「提供」ではなく「販売」となっていました。ガッデム!
最後になりますが、彼は「一匹目のどじょう」を見事捕まえたせんとくんとの共演も果たしています。
しかしそもそもがキモい二人組。キモい×キモいのコラボレーションで、子供が見れば、まず逃げ出すであろう一枚となっています。