毒舌!ゆるキャラ図鑑

ゆるキャラ制作の経験を持つ筆者が、人様のゆるキャラを勝手に斬ります。

 



せんとくん(ゆるキャラ図鑑No.8)

みなさんこんにちは。ぼけねこです。

 

今回は日本の古都・奈良からのエントリー

伝説のポケモン、せんとくんです。

 

 




 




時は2008年。

平城遷都1300年の記念事業マスコットキャラとして、

せんとくんは誕生しました。

 

仏に角を生やしたあたりに

「奈良といえば仏教鹿

という足し算的な安直さが透けている気がします。

 

 

そういえばギリシャ神話にも、

ライオンと山羊、蛇の体を混合したキメラという怪物が出てきます。

 

せんとくんとキメラは、お互い長い歴史を持つという点で、

その神々しさに通ずるものを持っているのかもしれません。

 

 

しかし、発表当時の世間の風は冷たいものでした。

 

 

「キモイ」というネット上での心ない批判。

「仏様への侮辱」という仏教界からの的を射た批判

 

また、キャラクターの白紙撤回を求め、

一時は「平城遷都1300年祭を救う会」なる組織が発足したほどでした。

 

 

ゆるキャラというより珍獣のせんとくんは、

その容姿を理由に、当初は市民から拒絶反応を示されていたのです。

 

 

 

しかし、テレビや新聞、雑誌で取り上げられたことにより、

結果的には15億の広告効果をあげたせんとくん。

 

2010年にはその功績を認められ、

奈良県の公式観光マスコットへ任命されました。

 

 

ゆるキャラの走りであり、炎上マーケティングの走りでもあるせんとくん。

 

制作者は東京藝術大学大学院の薮内氏で、著名な彫刻家。

まさにサラブレッド。ほかのゆるキャラとは、生みの親からして違うのです。

 

 

おそらく、キャラクターのデザイナーを決める際、役所のエライおじさんたちが、

「伝統ある奈良にふさわしい、格式高い方へ依頼しよう」

とかなんとか盛り上がって決めてしまったのでしょう。

 

一方、会議に同席した若手は、

「ヤベえよ、ヤベえよ」

と俯き汗かいていたに違いありません。

  

 

その後続いたご当地ゆるキャラたちにどこか毒があるのは、

きっとせんとくんの流れを継いでいるからなのでしょう。

 

さすがは日本の古都・奈良県。

 

「すべての道はせんとくんに通ず」のです。

 

 

 

 

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